ウサギとカメ(とガン)/クリ
 
Sは米軍放出の代物でしたのでマイル表示なのです

三月ウサギは進みました、6マイルの半分だけ
さらに進みました半分だけ
そして半分、そしてその半分、さらにその半分…
三月ウサギはすでにニセウミガメが見えています
車間距離の半分、さらに接近しました、が
そこでふと思いました
「半分をいくら半分にしても、ゼロにはならない」
そうです。彼は永遠に追いつけないのです
これがかの有名な『ゼノンのパラドクス』です
「ちっ、新大久保で道草を食ったせいか」
違います。そういう考え方がいけないのです
彼が「半分」にこだわり続ける限り
ニセウミガメに追いつくことは永遠に叶いません


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