連なる鎖と黒い炎/菅原 夕輝
、と
自分で自分を嘲笑(わら)ってみせる
泣いても現状に変りはなく
それならと絶望におどけてみせる
見えなくなった筈の人影が
一瞬何かを振りほどくように揺らめいた
形にならない叫び声
悲鳴に良く似ていた
何を言おうとしていたのか
疑問に思いはしない
考えることさえ
抗うことさえ
もうこの身には無意味に思えた
狂っているのは
この僕だろうか あの人影だろうか それとも、世界だろうか
気力が途切れると同じくして
夜ガ又、迎エニ来ル。
最後の蝋燭を吹き消すのは
さて一体、誰の息かな
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