連なる鎖と黒い炎/菅原 夕輝
灯火ガ消エテ往ク…
全ては分かりきっていることで
知り尽くしていることで
赤イ陽ハ堕チテ往ク…
幻影を眺めていた僕の
心が凍っていくのが分かった
手錠に繋がれた人影が
後ろを向いて
そのまま僕の見えないところに連れていかれる
灰色に濁った雲から
置いてけぼりの 雨が降る
悲しみなんて消せやしないと
知っていたから…ただ
確信が欲しかったんだ
刺青(いれずみ)の紋様には
深く罪と過去が刻まれる
痣より幾らかマシじゃないか、と
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)