かたおもい/銀猫
 




ほんのり

ほんのり

片思い



恋の悩みと語るには

あまりに未成熟



きみの手紙の「ふ」の字から

微笑む顔を想像し


眠い眠いを繰り返す真昼には

淡く寝顔を思ってみる




ほんのり

ほんのり

片思い



ころんと滑る

蓮の葉の

朝露のごと



ひとつぶ

こころに転がって

翠に染みず

ころころ



ほんのり



ほんのり












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