『三次元ポケット』/しろいぬ
腹のポケットに手を突っ込んだら内蔵に触れた
瞬間 これを引き抜いたらどれだけ綺麗だろうと夢想
派手な効果音と共にあかく染まる世界を瞼の裏に描いて
すっと目を細める僕に唾を吐いた
朝起きたら眼鏡を探す
それが世界のすべてだから
屈折率が0に近づいたら そこはもう僕の世界ではない
そんなことを考えながらもぞもぞと蠢いて 一日は始まる
登校中に会ったデブに殴られた
曇った眼鏡越しにきっ と睨みつけたらとんがり頭に笑われて
眼鏡はさらに濃く深く曇っていった
授業中 出来すぎる友人を見て尊敬という諦めを学習し
好きな女の子の
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