ビル眩暈/捨て彦
 
ともあれそれは札付きのドタバタであった、というのはわたしはつい先ほど奇跡的な剥奪を目にしたばかりであってビルの角度、正確に言うと五十六度の鋭角が真夜中に飛行する眩暈を自前の風呂釜の中から応援落下せしめ後、下着、白い下着、黒い下着を交互に脱着、真夜中落下のポーズを狭い部屋の一室から眺めていたところ、「それとても無防備」という手紙を深夜ポストマンから無事受けとることが出来た。





無事受け取ることが出来たのである。(大丈夫である)



真夜中落下… … すごい良い… … ふつうにくさい… …





生活の過程での道草、ふと立ち寄った喫茶店の中で白くとろけたハンドメイドクッキーと時計を交互に見る彼女の顔がやはり豚に見え始めあなたはとても危機感を覚えた。
と後に語る。
ブルーマーに恋焦がれながら。
後に語る。
脈拍は深夜になるにつれ次第にはやく。
なり投げつける鋭角弾け跳ぶ鋭角面白みにかける話題熱を逃がさない蒸気。
と後に語る、





後に語る真夜中落下… … すごい良い… … ふつうにくさい… …




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