掌/
kimuko
土砂降りの夜
誰かの声がして
ドアを開けると
疲れた顔の君が居た
あの時『幸せよ』と言って
微笑んだ
君の面影は
なかった・・・
子猫に弄ばれていた
真っ赤な手毬が
飽きられて 僕の掌
このまま
やさしく包んでしまえば
なんて
僕は 卑怯者
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