夏の図書館/かなりや
 
夏の図書館には、みんなが置いていくものが、ひたひたと満ちている
カップルも
受験生も
おじいちゃんも
みんな
置いていってしまう

夏の図書館に

外にはきらきらのひまわりが咲いて
子どもは水遊びをして 

そういう夏の風景の中で

図書館だけは
ただひとつの
熱気の集合体

帰りにアイス食べよっか
とか
そういうのも全て置いていってしまうの

肌から
脳から
笑顔から
熱気は放たれている

表面はエアコンで冷えてるのにね

まるで、夏の図書館にいる人たちと一緒
一緒だね

そう思わない?君も
もう2週間もここで見てるんだから、わかるでしょう?

私は気づいてたよ
君がもうわかってるってこと

そんな爽やかな顔しないで

戻る   Point(7)