肖像(二)/
前方後円墳
左足が捨てられた砂浜
ずっと目を合わせられなかった砂浜
砂浜を演じていた砂浜
腐らない写真を捨てた日
うしろめたさが熱い砂浜
足音が引きずられる地瀝青
焦げた靴にうんざりした人の
叫びにも似た淡い影
砂にまみれた靴下を履く前に教えてくれた
必要はないはずですよ砂浜と
だから
その人は知っている
うるさい靴を
埋めた砂浜
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