遠い日の思い出/魚骨堂
 
灰色の壁 とびこえたなら
緑の草原 清らな小川
二人は常に 寄り添うでしょう
大きなケヤキの 幹にもたれて
二人はいつも 囁くでしょう
甘く切ない 愛の言葉を

燃える心で悲しみ溶かして
ひとつの錠前 作りましょう
灰色の壁の 向こう側から
だぁれも入って これないように

あれから幾年 たったでしょう
恋人たちの 秘密の鍵の
行方はだぁれも 知りません
壁だけじっと たたずんだまま
恋の遺品を 守っています


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