半月の叱責/A道化
蹴った石の音が
朽ちながら
からから、石を乾かしてゆく
腕に抱くものが欠けている
そっと、歩行の動作に紛れて探れば探るほど
空間は何処か冷静だ
石は乾き果て
気が付けば音も、とうに朽ち
老成した商店街のアーケイドを抜けたら
煌煌と、煌煌と、半月
白の
叱責するような姿の
何故、その、直下にて、私は
孤高から脱落し走り出すというの、欠けているからといって
欠けているからといって、走行の動作に紛れ、一体何を、私は
空間に期待するというの、夏夜の空間、走れば走るほど、夏夜の空間
それは
何処までも冷静だ
石は乾き果て
気が付けば音も、とうに朽ち
2005.7.28.
戻る 編 削 Point(9)