Cafe Le Poete ♯2/服部 剛
 

忙しさの中すました顔で
空になりかけたコップに水を注いでくれた奥さんに

「ふたりだけで、大変ですねぇ・・・」

と言うと

「いやいやこんなもんですよ」

その横でニッコリ微笑むマスターは

「いやぁ〜、大変です・・・!」

と頬を伝う汗を手で拭う

カウンターの中で肩を並べた
対照的なふたりの間には今夜
目には見えない光を帯びた赤い糸がたゆたい
互いの小指に結ばれていた 










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