空の仔/AKiHiCo
に
僕の髪の色も変化を始めているのだろう
何も恐れる事などないじゃない?
ただ私たちは選ばれた仔なのよ
理由なんてないけどね
荒み汚染された惑星を再生させる為?
いや還るだけなのだろう
全てに於いて絶望した僕には
空に還る事などどうでもよかった
ただ、この神秘的な程に体が青く染まって
世界と一体化する心地がよかっただけ
それなのに頬を伝う筋は
腕を伸ばせば指が透けていった
髪も空に吸い込まれるように消えてゆく
今までの心で感じたモノが薄れてゆく
彼女は紺の細い足で海へと自ら進んで行った
私たち、これから――
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