しのぶ/冲克。
 
しのぶの夢を見た。
20年前に分かれた女
スーツを着て今でも昔のそのまんま
公園の人ごみの中で目と目が合った。
ジーと視てしまった。
しのぶも見つめていた。
側に寄って両手を広げて見せた。
「離婚したよ。」て、知らせたくって
以前には、その離婚が出来ずに分かれた人

しのぶは、ついて来た。
公園内の喫茶店
今は金も無いみじめな自分を説明した
それでも善ければ、そばにおいで
無理は言わない。
死ぬ時は、お前の側で出来たら死にたい。
そんな気持ちで、しのぶを見ていて
初めて気づいた
お前しか、私がくどいた女はいなかった。
あとの人は、寄って来て振り回されただけの人
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