無題/菅原 夕輝
に異端者と呼び 暖かい家の外へと放り出すのだろう
四方を監視され 進入禁止を宣告された僕は
なにをしようにも もう どうしようもなくて
脳の片隅に残酷な想像を思い浮かべるより他無かった
力など とうに奪われ尽くしてしまっていた
狂気で身を破りそうになりながら
なぞるように思い出す
曇った鏡
引き攣(つ)った笑顔が どうしても許せなかった
そうして
霞んだ眼に浮かぶ幻覚と 思い出の糸を手繰り寄せながら
いつかの情景を描き始める
愛せないと教えてくれたのは 夕暮れの静けさ
殺したかった
僕は貴方を殺したかった
僕は僕自身を殺したかった
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