双想宮/
木立 悟
誰かの問いかけ
境界の色
すぐ左隣でことこと言う子
まなじりの端で増えてゆく影
流木を拾い集めるものの影
みんなみんな遠去かる
幻のように居なくなる
忘れても忘れても思い出す
緑 蒼 碧を行き来する
ゆずることのできないことども
双つの異なる同じ想いが
生まれ出る前のように光に寄り添い
宮へと落ちてくる言葉を見つめる
すべてを越えた風景が
瀑布の世界の水際にひろがる
何もない場所にも言葉は落ちて
双つの腕のなかで燃えつづけている
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