五月の原っぱで/Tsu-Yo
バケツにいっぱいの青空がはじけ飛んで
退屈そうに時間が揺らめく
五月の原っぱに日曜日が溢れ出てくる
子供達の笑い声が響く
きっちりと慣性の法則に従いながら
ゴムボールが飛び跳ねる
見るともなしに見る
不思議と五感が溶けていく
僕は五月の原っぱを眺めている
何がなくてもいい
僕はそう思う
手の中に掴んだだけの言葉
幸せとはいつでもそんな形をしている
自分にないものを数え上げるのではない
自分の持っているものを磨きあげるのだ
明日になればあの原っぱも春雨につつまれ
今日の景色を流しさってしまうのだろうか
悲しいことではない
青空の温もりと笑い声の思い出
手の中に掴んだだけの感覚を
そっと誰かに見せる幸せ
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