いつかたびだつひのために いまかいたてがみ/
紫乃
いつかぼくがとおくはなれて
きみのほほをながれるそのしずくを
このてでぬぐふことができなくなつても
いつかぼくがとおくはなれて
さむさにふるへるきみのてあしに
くちづけてあたためることができなくなつても
どうか わらつてくらしてください
くれぐれもからだにはきをつけて
あまりよふかししないでください
いつかたびだつぼくは
どこでもきみのしあはせをねがつてゐます
きつと、いつまでも
さやうなら
戻る
編
削
Point
(5)