いつかたびだつひのために いまかいたてがみ/紫乃
 

 いつかぼくがとおくはなれて
 きみのほほをながれるそのしずくを
 このてでぬぐふことができなくなつても

 いつかぼくがとおくはなれて
 さむさにふるへるきみのてあしに
 くちづけてあたためることができなくなつても

 どうか わらつてくらしてください
 くれぐれもからだにはきをつけて
 あまりよふかししないでください

 いつかたびだつぼくは
 どこでもきみのしあはせをねがつてゐます
 きつと、いつまでも
 さやうなら


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