蒼い街/青色銀河団
 
悲しいぼくの胸を
夏の夕暮れの風が吹きぬけても、
時に現実として、
ぼくの胸のこの痛みは、
なつかしい思い出ですらありうるのだ。
この星をめぐる、
情熱に関するいくばくかの
光の残滓としての。

そう、すべては
情熱の時間だったね。
光る水晶の内部温度が、不思議と
生身のそれと一致していた季節。
とざされたうすいろのことばは、
凝固して、ちいさく
悲しい羊水に浮かんでいた。
(拒絶するかどうかは
 ぼくらには選択の余地はなかったのだけれど)

ながれる時間にとって
思い出はもはや純粋な懺悔にすぎない。
あのとき、ぼくらは
野原の花びらの
冷たい部分だけ
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