還る光/木立 悟
 



力をふるうもの
草に狂うもの
ふたたび来る雨に吼えるもの
一片の永遠に触れ
燃えあがるもの


背中に降りる手を感じ
泣きながら目覚め
羽の失いことを知り
ふたたびねむる


けだものの夢やぶれても
けだものは死ぬことなくそこに在り
土のにおいと  毛の奥の熱と
光の息を吹きかけている


かがやきは去り
ふたたびやってくる
手のひらの重さの羽が
次々と肩の上を通り過ぎ
夜を横切るものたちとともに
涙を洗う言葉となって
星の列へと加わっていく






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