ピアニスト/千波 一也
 


指先なんか不器用でいい

鍵盤が求めるものは
迷いを持たない、その
指先の重み


ねぇ、

清らかな雨の注ぎに
いつまでも耳を傾けていたいの、




おはよう、ごめんね

ありがと、おやすみ


こころの譜面は
優しく時間に溶け込んでゆくの


指先なんか不器用でいい


奏でて
そのまま


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