草棄原/
木立 悟
づけ
原は静かに覆いつづけた
夜のはずれで震えながら
原と柱は重なりつづけた
原を歩む子は立ちつくし
想いをあざむく空を見つめる
分かれつづける川を
増えつづける中洲を見つめる
空は大きくほころびて
季節は重く雲を回す
川の終わりに
原の終わりにひろがる黒い土から
そこに住むわずかな人々のためだけに
今も鉄器が作られている
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