書評: 『世界で一番美しい病気』/中島らも/mana
嗚呼、なんてバカだったんだろう!
文庫サイズなんだから、意味なく上製本にすることはないのだ。そんなことをするくらいなら、値段を半額にしてくれよ! よくある文庫本のボリュームで表紙が硬いからと、1,000円なんて値段はバカらしい。けれど出版元が角川春樹事務所なので仕方がないと言えば仕方がないのが文学作品の哀しさだ。
しかし僕は買った。中島らも氏の『世界で一番美しい病気』である。
『砂をつかんで立ち上がれ』を読んでから、中島らもが気になりだした。そんな僕は正統派の中島らも好きとは言えないだろう。『世界で一番美しい病気』は予想通りだったけれど、それでもやはり面白い。完全に
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