ゆらりゆりかご/落合朱美
 


花陰に風はやどり
月星を愛で
いつしか
浅い眠りにおちて

天の川から
舟を漕ぎ出し
月のうさぎに恋をして
手に手をとって
星々をめぐる旅をする

そんな甘い夢をみた

みちたりた風は
ほほ笑みながら
花陰の床で
くるりと寝返り

花はゆれながら
風をだいて
夜が明けるまで
ゆらりゆらりと
子守唄をくちずさむ



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