夏の妖精/草野大悟
 
風に乗って越してきた次の日から
せっせ、せっせと
庭の草取りをはじめ
ごんごん、ごんごん
掘り起こして土作りをし、
次の次の日には
どこからか太陽の種を
仕入れてきて
ぱらぱらぱらぱら
庭の周りに蒔き、
毎日、毎日
水をやり続けて
すくすく育つそれが
いまに太陽を咲かせるぞ、と
わくわくわくわく
水をやり続けて
それが
背丈だけがやたらでかくて
水玉に写った太陽のような小さな花を咲かせたから
妖精は
おもいっきりの
ふくれっ面に
あっかんべーまでおまけして
青空にガンを飛ばしている。








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