なつのゆめ、だいて、はしって、○○○○○!/吉原 麻
 
髪なびく風通り抜けるTシャツの袖つまんだら恋走り出す

真っ白なシーツに夜を預けたら眩しい光に「おはようございます」

「おはよう」とまだ寝てる声で返事する眼をこする手すぐわたしに触れて

さて今日はどこに行こうと話す朝コーヒーの苦い香りに沈む

自転車で隣街まで出かけたら明るい緑の葉達賑わう

ベーグルを頬張りこぼす不器用な君の生き方重なりたくて

午後三時おやつにケーキつまむけど君は煙草と紅茶のトリコ

来た道を帰る寂しさ充実感もとあるところにもどる摂理は

梅雨明けたからからの空を睨みつけ洗濯物とりこむときほろり

夕立が来る前にビール買いに行こう車のキー
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