傷と光と/
木立 悟
歯車から歯車へ
手わたされる世界に立ち
すべての回転に傷つくほどの
やわらかな胸をひらく
うすく閉じた瞳のままで
微笑みを味わうくちびるの子
普遍の行方
三つの有限
大きく静かにひらかれる枝
光を求めるものたちが
光を受けとることができるのは
育まれた弱さをさらすときだけ
降るものは花
降るものは景
降るものたちが作るまばゆさのなかで
世界を見限ることのないたましいが
傷と傷との間に立つ
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