ファロスのピクニック〜Yへの祝婚歌/The Boys On The Rock
 
に キンポウゲの冠を載せ
さあこれであなたはわたしの王子様 と
戯れながら宣言する日を
直立不動で待っているブリキの兵隊
であるところの君
この世界で一番幸せなファロス
であるところの君は
成熟を拒むことで
スタートラインに立った少女を独占したいのだろう?
屈強な君の足元に眠る少女の夢の中で
君はアルプスの羊飼いに変身する
そして 清澄な湖水の瞳で
少女に告げる言葉は
 あのもみの木が生えている尾根のところまで行こうよ
 そこで君の作ったお弁当を食べよう
少女の頬が薔薇色に染まる
耳元に古びた童話をささやきかけるのは
その日一日
うっとりと彼女が過ごせるようにと君の心配り
夢見る少女を何よりも好きな山男
であるところの君
それはきっと
ペルーの淫売と寝ることよりも何倍も気持ちよいことなのだろう
なんてロマンティックな山頂のピクニックだ
早春の風景の中で
君は永遠に直立しているがいい!

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