ホワイト&ホワイト&ホワイト/千月 話子
てさ
白い シロクマになったのは
今から たった5秒前くらいの出来事で
それからというもの 僕らが目を丸くして見入ってしまった
スーパー影絵劇団みたいに 青をバックに白い影が
ウサギになったり カメになったり
トリになったり ネズミになったりして
最後には、大きな口を開けたオオカミのお腹の中へ
入ってしまった・・・というお話が完成していたんだ ホワイト
さて、キミのその丸い頭をスリスリと5回撫でたのは
可愛いから だけじゃないんだよ
例えば、急に留守番を頼まれたりして 泣き出しそうなんだ
だから「優しく、守ってよ。」
という 僕なりのポーズみたいにね。
うとうと 過ごす緑の高原
そういえば、ホワイト キミの兄弟が
1キロ先の ドッグ・ランで待ってるよ
名前を教えてもらったけれど どれもこれも白だから
僕は呼ぶよ ホワイト&ホワイト&ホワイト
笑いながら 見た目涼しい夏の始まり
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