雨の歌/そう
 
黄金の陽が白い壁に照りかえり
あたりに歓びをまきちらす
肉づきのいい葉の一枚一枚より重く
なだらかな幹の淡い化粧よりたしかに
雨の歌は静かに
時計の針をとめた

あなたの顔 わずかな物音
私は目や耳や皮フ
すべてをつかって
私を消す

残されたのは雨の歌
大地を育む乳の歌
思い出すより遥けきところから
かわいい贈り物のために
いまを織り込む雨の歌


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