私は壊れてゆく。/
AKiHiCo
私という形がなくなってゆく
壊れた時計の螺子は緩んだまま
閉じた瞼に踊る蒼白の輪に
何かを託そうと指を動かすけれど
心はいつもの空へと還ろうとする
私を破り捨てて昇る世界は
思うより華麗だと言うの?
苦痛も規律もない静寂の世界
誰かが奏でるノクターン
私の身体の傷口に誰も気付かない
そこから記憶ごと毀れてゆく
床に散らばった破片を集めて
せめて私が存在していた証として
私という形が
いつまでもあるもずもないから
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