しろい いきつぎ/嘉村奈緒
あなたは、荒れ狂った、広大な砂地に足を埋めて、飛ばされないように、大時化で、ドロドロとした朝の、ドロドロとした波に打たれて、気絶する、泥土の景色のようだと、あなたは言うから、ねえ、あなたは帰るの、って、私は遠くから聞いて、そうやって、大時化て、何匹もの魚がもまれて、ねじられた砂浜に打ちあがる
追いつこうとして、しなびた足を振り上げるなどして、波は荒れ狂っていて、だから待って、って、しょうがないから泥土を泳ぐの
朝から何も食べてなくて、おさかなが食べたい、って叫ぶと、そうだね、って笑う、あなたはぐいぐいと突き進んで、私を置いていってしまうだろうから、おさかなが食べたいって叫
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