『ROCKS』/mana
 
と、専業主婦の母親。それなりに利口な兄との2人兄弟。それなりの家庭。


 「これが現代の日本における【標準的】な家庭です。」


 本当にそんな感じだった。


 それなりの高校で一緒だった彼と僕は、別々なそれなりの大学に行き、不思議な縁で知り合った。彼はどうやら僕を高校の頃から知っているようだった。けれど僕なら当然、彼のことなどまったくもって知らなかった。


 「引かれたレールの上を忠実に歩いていくのが好きなんだよね。」


 彼はその言葉の通りに、それなりの大手に就職した。そして、それなりの時期にそれなりの相手と結婚する。本当に「普通のド真ん中」を忠
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