『ROCKS』/mana
と、専業主婦の母親。それなりに利口な兄との2人兄弟。それなりの家庭。
「これが現代の日本における【標準的】な家庭です。」
本当にそんな感じだった。
それなりの高校で一緒だった彼と僕は、別々なそれなりの大学に行き、不思議な縁で知り合った。彼はどうやら僕を高校の頃から知っているようだった。けれど僕なら当然、彼のことなどまったくもって知らなかった。
「引かれたレールの上を忠実に歩いていくのが好きなんだよね。」
彼はその言葉の通りに、それなりの大手に就職した。そして、それなりの時期にそれなりの相手と結婚する。本当に「普通のド真ん中」を忠
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)