訪れない、その手前で/プテラノドン
街は、宣伝する車の謳い文句と、気にも止めない通行人を生贄にして
せり上がる暑さよりも、乾いた空虚さを従えていたので
僕等は、長い橋の上からきらめく水面を眺めている。
そこにありもしない目印を探して。それでいて、
すくいあげるものなど何もないが、二人、ズボンを下ろして
流すくらいの言葉はあるさと、笑い声、ふりまいて
飛沫を上げるもろもろの心象は、まぶしい水面をモデルに使った
それは、無数の浪の上澄みに交わる程度で
底に 沈まずに 刻まずに ずれていく、七月に君は
…尖っていないと大人になんてなれないよ、といって
土手でゴルフの練習をしていた男から盗んだクラブで、
道端の石ころを
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