ふれていたい/イグチユウイチ
月明かり程度の部屋で、
青白く浮かぶ お前の身体に隣接する。
しっとりした乳房に 導かれた手を添えると、
温かな弾力の内側から とくとく と、遠い波が返る。
数少ない安堵が、ここにはあって、
ふたりはまた 長い息を漏らすだろう。
時間をかけて 丸ごと こすりつける。
うっとりした体温を 移し合おうぜ。
俺と、俺を含んだお前とで、繭にでも包まれたらいい。
水が湧くように、雨が滴るように、薄暗く、甘美な、沈下。
いつしか瞳は 閉じてしまったよ。
触れていたい。
いつまでも 触れていたい。
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