street/捨持
 
アイスクリームが今にも落ちそうで
溶かす熱は 体温ではなく     息 そのもの
息と混じった ためいき
かかとが 通りを求めている

安売りではない
このスカートの裾も 日に焼けた腕も
心地いいから やっているだけ
誰も振り返ることのない理由
私だってふりかえらない

おじいさんが 窓を開けて
私の裾を
本を 詩を 
笑っている
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