書評: 『リバーズ・エッジ』/岡崎京子/mana
 
いった。僕が知ったのは死にきった後だった。そのときは、どうして会わせてくれなかったんだ!って本気で思った。ブチ壊れた。でも今は、それで良かったのかもしれないと思う。僕の祖母は、僕のベッドに座って笑ったままだ。


  「この死体を見ると勇気が出るんだ」

  「アタシはね、“ザマアミロ”って思った」


こういう感受性がわからないわけじゃない。なんとなくわかる。けれどそれは、「なんとなく」であってほしい、「なんとなく」でとどまっていたい、そう思う。
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