書評: 『リバーズ・エッジ』/岡崎京子/mana
 
別格で、ほとんど崇拝に近いほど好きな岡崎京子だが、完全読破はしていない。『うたかたの日々』と『愛の生活』で躓いている。もう「年単位」の躓きだ。どちらもすでにラックで鎮座しているのだけれど。

それでもやはり、岡崎京子の代表作は『リバーズ・エッジ』じゃないかと思う。

手塚治賞受賞作である『ヘルター・スケルター』も悪くない。悪くないけど、『リバーズ・エッジ』はブッチ切りだ。読んでしまうともう、読まなかったことには出来ない、後戻りなんて許さない、そんな感じの作品である。

そして僕は勝手にだけど、「そう簡単にわかってたまるか!」みたいな印象をこの作品に抱いてる。場面、場面はわかる。作
[次のページ]
戻る   Point(6)