書く動力 10/Dr.Jaco
 
さて、私が何かに執着しているということだけが手詰まりの中で唯一リアルなの
であろう。それは大した事でなく、平凡なことだ。きちんと家からバス停までの
道のりをほぼ決まった時間に歩いているのと大差ない。凡百の、平日の世界とし
て、時間が動く。時間が不可逆な化学反応の結果ということを意識しなくても、
それが一つの動力として疲労や、新たな問題の一積みに繋がるということは意識
される。そして、他人事のように何かを語りたいと思って、言葉を吐くこともあ
るだろう。そうでありたい。それは私のむなしい理想である。


Der eine beim Film,die andere im
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