オレンジの中で死ぬ/
八月のさかな
悔し紛れの薄闇は
投げつけた卵の黄身のなかにかくれた
まだ夜は知らない
夕焼けばかり見ている
今日はもう帰らない
ビビッドは細胞を壊すの
今日はもう帰らない
太陽のしたにさらけ出されたら
きっと永遠にわらえない
はじめて知ったしあわせなかなしみは
くるしいほどに甘ったるくて
わたし
橙があふれるようなこの透明の中で
いますぐ死んでしまいたい
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