そら/AKiHiCo
 
いつの頃からか覚えた喜びという形
空を見上げたら本当は逆さまだという事に気付いた日
悲しみの水辺から這い上がったあの瞬間
そこに無言で立っていたのはキミの影

何かに圧倒されて押し出された街は
錆付いた感情で溢れ返り
言葉のない会話が拡がって
なぜか虚しさを覚えた裏側で
そんな街にキミといるのは苦痛

私の身体は誰の物でもなくて
見向きもされなくなってからどれ位経っただろう
この傷口に誰も気付かない
やはり抜け出せないままの泥沼
脚が穢(けが)れてゆく感覚

キミに出会っていなければ
今頃私はどうしていたのだろう
愚かな考えだけが過っては消える
転がり続けるだけの事実は変わらないのに

青い空を見上げれば本当は空の底だったと
喜びがなぜか浮かんで微苦笑した



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