たんぽぽ考/たりぽん(大理 奔)
 
lst.)】

 いつも彼女(そう彼女)と出会うのは、山の裾野の空き地でした。花の咲くシーズンに訪ねると、美しい白い花を木漏れ日の降る道ばたに輝かせています。ちょ っと大柄な姿、薄い緑色の葉っぱをコーディネートするセンス。群れることなく咲くその姿がとてもりりしくて好きでした。かつてタンポポといえばこのシロバナタンポポを指したそうです。

しかし、その美しい姿とは裏腹に、彼女は単為生殖で種を作るタンポポ。

孤独な愛だけを慈しんで綿毛を旅立たせる、そんな悲しさが彼女の花びらを白くしてしまったのかもしれません。

【アカミタンポポ(Taraxacum albidum Dahlst.)】
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