蛇/コンパス
3匹目
またカッと照りつける真夏の太陽の日
仕事の合間に
ふるさとの滝を
見ようと思い、車で入った
そしたら
白い砂利道の上に
横1本の長い枝が落ちている
轢いていこうと思いながら近づくと
蛇
こん畜生と思いながら
蛇をたたくとずるずると藪の中へ入っていった
白い蛇は幸先のよいしるしというが
きまって夏の太陽が照り付けて
道路が白くて
その上に間延びしたような青大将が
横たわっていなくていいじゃねえか
でもな、くすんだように見える
あの遠い夏の日の思い出も
そこだけは
きらきらと光って輝いている
あの夏の日は悪くなかったと
今、俺は思っているのだけれど・・・
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