蛇/コンパス
そいつは間違いなく蛇だった
カッと照りつくような夏の日
蛇はきまって現れる
１匹目は
小学校の時の夏休みのの暑い１日
隣町の海水浴場へ行った帰り道
その町の白いアスファルトの上に
小さな蛇が現れた
俺とのりおは
これはと思い
蛇を瓶に詰め
汽車に乗って自分の町に持ち帰り
高等学校のあるそばの小さな沼へ
離してやった
蛇がさざなみのように泳ぎ去った
２匹目
夏の暑い日の中学校の放課後
鳴海が、捕まえた蛇を
ぐるぐると回しながら
皆に見せつける
あのころは
やんちゃなガキだったな
でもお前の娘は
結構可愛く
ふるさとの町で愛想を振りまいていたよ
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