甘い蜜の罠/
恋月 ぴの
コンサート打ち上げの夜
僕はあなたに 誘われる
あなたは知っているくせに
知らぬ振りが得意
女の武器 口元に仄めかし
手招きの指先 鳥かごの扉を開け放つ
誰も見てないはずだった
誰もが知らぬ振りをするはずだった
けれど深夜の缶けり
未成年の僕にはまだ早すぎて
はしゃぎすぎた幼さ 目眩に溺れ
蹴った缶の飛んだ先で
僕はてんでに酔いつぶれた
あたりの喧騒に目覚めれば
冷たい鉄格子の中
手錠を嵌めれた僕がいた
戻る
編
削
Point
(4)