トカゲと私/
スプートニク
涙がずっと止まらないの
彼はあれほど言ったのにハンカチを忘れてきたので
膝の上のナフキンで涙を拭く
何かが落ちる
「なぁにそれ」
友人が気味悪そうに指さす
一切れの肉片 しっぽ
「捨てた欲」
私の命 私の恋人 私自身
私は幸せ
私は何も求めない
彼が私を必要とする間この場所にいるだけ
私は幸せ
不満も不自由も哀しみも無く生きている
腹の奥で時折 ヒクヒクのたうつものがあるだけ
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