トカゲと私/スプートニク
今日は私と彼の結婚パーティー
私も彼もとてもたくさんの人に招待状を出した
なのに私の友人は誰も来なかった
唯一来てくれたのは私の七年来の友人
「一匹のトカゲ」
会場は彼の友人達で埋め尽くされた
彼の両親もさっき入り口近くで見かけた
私のたった一人のお客は柱の裏側の席で静かにしている
トカゲは 酒もタバコもやらないので
次々と運ばれてくる料理を食べ水を飲む
会場は 祝福の声とタバコの煙でくもっていく
私の純白のドレスは黄ばんでいく
彼はさっきから 酒を注がれ過ぎている
笑ったり泣いたり忙しそうだ
「新郎新婦お色直しのため退場です」
誠実そうな司会者がマイクに
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