僕等の錯覚/
kw
透明な障壁に守られた
箱庭の世界で
自由は素晴らしいと君は言う
なんて悲しいんだ
僕等の享受するエントロピーは
全部借り物なのに
感覚は両親から譲られた血肉
思惟は神様の従僕の言葉
感情は脈絡たるヒトの遺伝子
でもね
作り物の身体にも幸せはある
君を友として愛おしい存在として
認識できるから
刷り込まれたプログラムが
命令停止になる瞬間まで
この柔らかな気持ち
自発的な意識だと
錯覚していようね
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