*あまつぶ*/かおる
どもってしまった空は
灼熱の夏を何処かに置き忘れたようで
パラパラ ピチョンと
リズミカルにとたんを打つ音 ことり
かえるの歌も倦怠感と一緒に にやり
大地に降り積もり
ぶく ぶく ぼこり
くらむぼんは喜びのため息をぷかり
澱んだ想いまでくるんと透明なヴェールをかぶり
発酵して鈍く確かに発光して ぴかり
星の瞬きも雨に溶け出し じわり
みどり濃いハッパの上で ぷくり
透明な宝石となってきらきら きらり
色とりどりの花々に灯される あかり
みどりの絨毯を粛々と歩む ゆるり
でんでん虫も空から ふわり
雨粒のまぁるいかんむり
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